消化器科の病気ガイド
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大腸について

大腸について

大腸は、消化器官の小腸の最後の部分から肛門までの間を結んでいる臓器です。大腸の長さは、成人男性であると約2mもの長さがあります。大腸の主な働きは、水分と電解質を吸収する役割、そして便を貯める役割を担っています。体調が優れないと、下痢になったり、便がとても硬くなったり、便秘になったりしますよね。これは、大腸の働きによって左右されます。小腸には、毎日2リットルほどの食事、消化液7リットルほどが小腸に送られます。この約10リットルの食事と消化液は、小腸を出る時点で2リットル程になります。そして、大腸を通り、便として排出されるとき、便に含まれている水分は200g程度になります。ということは、多くの水分が大腸に吸収されているということになります。しかし、大腸が感染症などで炎症を起こした場合は、水分の吸収が悪くなり、水分の含有量が多いまま便として排出されるので下痢となってしまう訳なんですね。お腹をくだすと、大腸から体内に吸収される水分量が減ることで脱水症状になる場合もあります。それで、水分補給をしっかりするように、言われます。大腸は、ぜんどう運動と律動的分節運動と呼ばれる働きをしています。ぜんどう運動は、腸壁を収縮させ、食べ物を送り込んでいくための運動です。一方、律動的分節運動は、水分を吸収するための運動なんです。この2つの運動がなされ、食べ物の水分を吸収し、粥状になり更に固まり、便となって体外に排出されるのです。つまり、大腸は、体内への水分吸収と、体外への排泄という2つの大きな役割を担っているのです。

大腸の病気

中高年になると、大腸に関する病気にかかる方も増えてきます。健康診断や人間ドッグなどで大腸の病気があるという事を知る方もいらっしゃいますし、血便、便秘、下痢、腹痛などが続き、自分で気付く場合もあります。

大腸の病気だけではありませんが、初期や経度であれば、薬物療法や内視鏡的治療ですむ場合が多くあります。

では、大腸の病気は、どのようなものがあるのでしょうか。

大腸がん

日本で多い死因はガンです。厚生労働省の統計によると、約3人に1人はガンで亡くなっています。男性は肺がんが多く、女性は大腸がんが最も多いガンの死因なのです。

現代の食生活が欧米化したことなどにより、大腸がんは年々増加傾向にあると言われており、特に高齢者に発症しやすい病気です。

大腸がんは、早期発見であれば、完治できる確率が高いガンです。しかし、初期症状だと自覚症状はありません。進行するにつれて、血便や便通異常、腹痛や腹部のしこりなどが症状としてあらわれます。

ポリープ

大腸には、良性と悪性の腫瘍が出来ます。ポリープは良性の腫瘍ですが、放置すると徐々に大きくなりガンに進行するものもあります。

ポリープは40歳代から増える傾向がありますが、ほとんど、自覚症状はありませんので、健康診断や人間ドッグなどで発見されます。症状としては、排便時に便に血がつきます。

虫垂炎

盲腸炎とも呼ばれています。盲腸についている虫垂に炎症が置き、発症します。症状としては、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲不振、便秘、下痢、発熱などがあり、お腹全体が痛みだし、徐々に痛みが右下腹部に移動します。

痔疾患

は、大きくわけて3つに分類されます。

日本では、約3人に1人が痔になったことがあるといわれていますが、その痔には、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔瘻があります。自覚症状があり、排便時の痛みや、肛門からの出血などがあらわれます。

しかし、単なる痔だと思っていても、実は大腸がんだったという場合もありますので、気をつけましょう。

大腸の病気かも?!

頻繁に下痢や便秘ぎみだったりと、大腸の病気じゃないかな?と不安になった場合は、下記のチェックリストに当てはまる項目を数えましょう。

・食欲不振になった
・お肉が好きで、野菜をあまり食べない
・最近、貧血症状があらわれるようになった
・時々、お腹が張る感じがする
・便が細くなった
・排便時に出血するときがある

この項目に3つ以上当てはまった方は、大腸でトラブルが起きている可能性が高いので、医療機関で受診することをオススメします。

大腸をいたわる食事

大腸をいたわるためには、大腸に負担を与えない食事をすることを心がけましょう。

一つは、食べ物はお肉を控えることです。お肉は、大腸のぜん動運動に負担を与えてしまい、毒素を大腸に貯めやすくなってしまい、便秘になりやすいのです。

肉食生活をやめ、菜食や炭水化物を中心とする生活にしましょう。野菜には多くの食物繊維が含まれています。食物繊維は、消化されないまま便になり、大腸に溜まっている要らないものを掃除してくれるのです。

また、食物繊維はぜん動運動の負担になりませんので、大腸が活発に元気よく働いてくれます。

国民栄養調査によると、日本人の平均食物繊維摂取量は、14.3gと発表されています。実は、食物繊維の摂取量は1日あたり20~25g摂ることが望ましいとされています。

特に摂取してもらいたいのが、水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は、保水性があるので、食物が体内に滞留する時間を延ばすことができ、腹持ちも良いのです。

水溶性食物繊維が多く含まれる食べ物として、大麦めん、オートミール、全粒粉、ライ麦、アボカド、うずら、インゲン豆、そら豆、小豆、納豆、さつまいも、枝豆、ごぼう、茎にんにく、ふきのとう、人参、モロヘイヤ、海草などです。

美味しい物より、「お腹にいい物を」を心がけた食生活で、大腸をいたわる生活、心がけてみましょう。