消化器科の病気ガイド
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肝臓について

肝臓について

脂っぽい物や、お酒が好きな方は、自分の肝臓について色々と心配や不安があると思います。ところで、肝臓という臓器は、どのような働きをしているのかご存知でしょうか?今回は「肝臓」について詳しく見ていきたいと思います。

肝臓の働き

肝臓の働きは大きく3つに分けることが出来ます。

1.食べたものをエネルギーに変える

食べ物を体に取り入れると、そのままの形では栄養素を取り入れることが出来ないので、
肝臓が食べ物を分解して栄養素を体内に吸収できるようにします。
糖分や脂肪分はエネルギーに変えて貯蔵し、たんぱく質や脂質を合成、分解した後蓄え
必要に応じてエネルギーとして体内に送り出します。

2.体に取り入れた物の解毒作用

肝臓には、アルコールや薬などの毒物を分解する機能があります。
「二日酔い」とは、この肝臓機能の低下によりアルコールの毒物が分解されずに残ってしまう事が原因です。

3.胆汁の生成

胆汁とは、いらない物質を排出するための物質です。
十二指腸で脂肪の消化をする場合、肝臓で生成される胆汁を利用します。
また、胆汁は脂肪性ビタミンや脂肪の吸収を助ける働きがあり。
これらの機能が低下してしまうと、コレステロールが溜まりやすくなり、
「胆石」ができやすくなります。

肝臓の病気について

肝臓の病気には様々なものがあります。食べすぎによる肥満やアルコールの飲みすぎが原因である「脂肪肝」は、日頃の生活を改善することで治ります。

しかし、不摂生を続け、生活習慣を改めなければ、肝機能が低下しつづけ、
脂肪肝から「肝炎」、「肝硬変」、「肝臓がん」になる可能性が高まっていきます。
中高年に多い肝臓の病気は、この「脂肪肝」です。

脂肪肝の原因の多くが、肥満やアルコールの飲みすぎで、
統計によると、30~70歳に多く、男性では40歳前後、女性では
40代以上の方に多く発症しています。

特に、アルコール性の脂肪肝を治療せずにいると、「肝硬変」になる危険性も高まります。

脂肪肝は、食べすぎ・飲みすぎによって、肝臓に「中性脂肪」や「コレステロール」が溜まった状態です。肝臓に中性脂肪やコレステロールが溜まった脂肪肝は、「動脈硬化」など様々な生活習慣病を発症させる原因にもなっています。

肝臓健康度チェック

下記のチェックリストに当てはまる数を数えてみてください。

・毎日のようにお酒を飲んでいる
・お酒を飲む場合は、あまり食べない
・最近、酔いが回るのが早くなった
・飲み始めると、深夜まで飲んでいる
・脂っこいものが食べられずに、食欲がない
・疲れやすい
・足がつりやすい
・足がむくむことがある
・手を伸ばしたときに、手の先が震える
・手の平が赤らんでいる
・赤い斑点が、胸や腕に出る
・顔色がどす黒くなり、皮膚にツヤがなくなった
・体がかゆい
・物忘れが酷くなってきた
・男性になのに、乳房が膨らんできた

もし当てはまる数が5つ以上あったら、肝臓の機能が低下し始めている危険性が高いです。

肝臓の検査

上記のチェック項目に当てはまるものが多く、肝臓の機能が気になる、
という方は「血液検査」をまず受けられることをお勧めします。
ここでは一般的な血液検査の項目の説明や正常値についてお話します。
正常値は参考程度にご覧ください。

GOT,GPT:正常値 40IU/L以下

肝細胞が変化していないかどうか調べる項目です。
肝臓に障害が出ると、血液中にこれらの物質が漏れ出してきて、
アルコール性肝障害はGOTが高く、慢性肝炎では、GPTが高くなります。
GOTとGPTは、それぞれのバランスを見ることが大切です。
GPTがGOTよりも高い数値の場合、慢性肝炎、急性肝炎、脂肪肝、胆石を疑います。
GOTが上昇してGPTが軽度に上昇した場合、肝障害ではなく、
心筋、骨格筋などの筋肉の障害の可能性も考えられます。

γ-GTP:正常値 男性65IU/L以下 女性40IU/L以下

これは、肝細胞に異常があった場合や、胆汁の排泄がスムーズに行われていない場合に数値が上がります。

T-bil(総ビリルビン):正常値 0.2~1.2mg/dL

肝臓に障害が出ると、このビリルビンが増加します。

AL-P(アルカリフォスファターゼ):正常値 65~250IU/L

胆汁の排泄機能が正常でない場合に、血液中に増加します。

LDH(乳酸脱水素酵素):正常値 200~420IU/dL

ほとんどの臓器にLDHがあり、それぞれの種類に分かれています。
ですので、増加しているLDHの種類を見れば、どの臓器が悪いのかが分かります。

T-P(血清総たんぱく):正常値 6.5~8.2g/dL

血液の中に含まれるタンパクの総称です。
血清アルブミンの数値が低いと、肝硬変や肝臓がんが疑われ、
免疫グロブリンが増加すると、慢性肝炎や肝硬変が疑われます。

肝臓に優しい食品と、肝機能向上のためにできること

肝臓の機能を低下させないためには、何といっても食生活を改善しなければなりません。
前述のように、肝臓の病気の原因として、肥満や糖尿病、アルコールの飲みすぎがあります。

それで、食生活を改善することが重要になるのですが、
食生活の中に取り入れてもらいたい食品があります。

肝臓に関する病気によい食品は、「タウリン」を含む食品です。
タウリンは胆汁の分泌を増やす効果があり、コレステロールの排出を促します。
また、アルコールの分解を早める効果があり、肝臓への負担を軽くすることが出来ます。

タウリンは、主に魚介類に多く含まれています。特に、カキなどの貝類、いか、タコ、
魚の血合いの部分に多く含まれています。

食事にお肉が多い場合は、「1週間に3日は肉料理から魚料理に変える」という
小さなことから始めてみましょう。

さらに、肝臓に優しい食品として、「卵」があります。
卵には、アルコールの吸収や分解をする手助けをする「メチオニン」が含まれています。

アルコールを飲む際のお料理に、卵料理を1品加えるだけでも、
肝臓をいたわってあげることが出来るのです。

そのほかにも、肝臓病の対策と予防するために摂取してほしい食品は、
レバー類、大豆加工品、牛乳、緑黄色野菜、蜂蜜などがあります。

また、食生活を改善するだけでなく「ツボ押し」で肝臓を元気にさせることにも取り組んでみて下さい。

肝臓を元気にするツボ

・足の親指と人差し指の間の指の付け根から、足首にむかって、
ゆっくりと押して離すという動作を繰り返しながら移動しましょう。
3秒押して、3秒離すというリズムで、左右5回ずつ行いましょう。

・ヒザを深く曲げて、内側のヒザのシワの先端を両手の親指でゆっくりと押しましょう。
押す時は足を伸ばして、これも3秒押して、3秒離す、というリズムで、
左右5回ずつ行ないましょう。

肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、かなり状況が悪化するまで
特にこれといった目立った症状がなかなか現れません。
それほど、日ごろからよく頑張ってくれているのが、この肝臓なのです。
肝臓がいつまでも元気で働いてくれるように、肝臓をいたわる生活を心がけていきましょう。