消化器科の病気ガイド
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すい臓について

すい臓について

今回は「すい臓」についてお話しします。お酒を呑み過ぎると「肝臓」の心配をする人は多いと思いますが「すい臓」のことを気にする人はあまりいないのではないでしょうか? この「すい臓」はひとたび病気になると生命に関わる事態がたくさんあり、人間にとって大変重要な臓器なのです。

すい臓の働き

すい臓は、胃の後ろ側(背中側)にある臓器です。長さは15センチほどあり、横に長く、
形はおたまじゃくしに似て、尾部にいくほど細くなっています。

すい臓の働きには「外分泌」と「内分泌」があります。
「外分泌」とは、食物の消化を促すための消化酵素がすい臓の中には含まれているのですが、この消化酵素は、炭水化物の消化に関係している「アミラーゼ・マルターゼ・ラクターゼ」、たんぱく質を分解する「トリプシン」脂肪を分解する「リパーゼ」などがあります。

「内分泌」とは、血糖値を調整するホルモンを分泌しています。すい臓の組織内には、島のように点在している組織「ランゲルハンス島」があり、このランゲルハンス島の組織からホルモンが作られています。
血液中にブドウ糖が多い場合は、インスリンを分泌し、ブドウ糖が少ない場合、グルコガンを分泌します。
ですので、血糖値の調整をしているすい臓と関係している病気の1つに「糖尿病」があります。

すい臓でのインスリン分泌が低下したり、インスリンの働きが悪くなることが、
糖尿病発症の一因と言えます。

すい臓の病気には何がある?

すい臓は他の臓器に比べ、簡単に検査が出来ない分、事前にすい臓の病気について知っておき、異変があればすぐに調べてもらうよう心がけてください。

すい臓で代表的な病気として「すい臓がん」「急性すい炎」「慢性すい炎」があげられます。

米国消化器病週間会議で発表された研究結果では、多量の飲酒や喫煙は、
すい臓がんの発症を早める可能性があると発表されました。

国立がんセンター中央病院肝胆膵内科の奥坂医長によると、
「喫煙はすい臓がんのリスクを高める要因」と指摘しています。
すい臓がんを予防するためには、喫煙と高脂肪食は避けたほうがいいでしょう。

さらに、飲酒と高脂肪食が招く病気は「すい炎」があげられます。
突然、すい炎を発生して亡くなってしまう可能性がある「急性すい炎」は、毎日のように飲酒をし、肉類や揚げ物が好きな人ほどリスクが高いと、東京医科大学病院消火器内科の酒井教授は述べています。

すい臓の検査ということに関して言えば、たとえば人間ドックでは、
すい臓は体の奥深くにあるために病気の発見が難しく、
見逃されてしまう場合が多いそうです。特に「すい臓がん」は
「人間ドックでの発見は不可能に近い」と言われています。

先ほどの奥坂医長によると、予防方法は「本人が高脂肪食や、飲酒を極力控えることが一番」
だと述べています。
家系にすい臓がんの方がいらっしゃる場合は、積極的にCT検査やMRI検査、超音波検査を受け、早期発見に努めましょう。

すい臓の健康度をチェック!

東海大学東京病院・片岡邦三医師 提案のチェックリストをご紹介します。

・脂っこい料理が好きだ
・お酒が好きで、毎日のようにお酒を飲む
・たばこを吸う
・総コレステロールの値が異常に高い
・中性脂肪の値が異常に高い
・胃の辺りに弱い痛みがある
・仕事が忙しく疲れている・寝不足気味である

もし、「毎日のようにお酒を飲む」「胆石持ち」の片方、あるいは両方該当する方で、
1つでも当てはまる場合は「急性すい炎」になる確率が高いですので、要注意です。

また、別のチェック方法としては、足を肩幅に開き、背中を丸めながら前かがみになった状態で、
背中に「コリ」ができる場合は、すい臓の疾患がある場合があります。
上記の状態で、背中の真ん中あたりに「痛み」がある場合は、すい臓の機能が低下しているかもしれません。
特に脂っこいものを食べた後に、背中のコリが酷くなる場合は、
すい臓の機能が低下していると思っていいと言う専門家も多くいます。

もし、このコリや痛みが、みぞおちまでの広範囲にわたっている場合は、「すい炎」や「すい臓がん」に進行する可能性がありますので注意して下さい。

すい臓をマッサージしてみよう!

重要な臓器である「すい臓」を労わってあげるにはどうしたらいいのでしょうか。

すい臓の病気は、まだ解明されていない部分も多いのですが、先ほどご紹介した通り、すい炎やすい臓がんの要因は、脂肪食の過多、アルコールの飲み過ぎ、喫煙などがあげられます。

ですので、高脂肪食を避け、バランスの良い食事を心がけることと、
アルコールや喫煙は極力避けることが大切になってくるのです。

すい臓の病気を発生させないためには、すい臓をマッサージしてあることも対策方法の1つです。
実は 「風船を吹く」ことですい臓のマッサージが可能で、
風船を膨らます時に「腹式深呼吸」をしながら風船を膨らまします。
そうすることで、横隔膜が下がり、横隔膜の下の肝臓を押し下げます。
その後、肝臓の下の胃や十二指腸やすい臓を押し下げ、内臓が変形します。
ふうせんを腹式深呼吸で吹くことで、内臓が押し下げられ、元に戻り、
また押し下げられという行動を繰り返され、各臓器をマッサージすることになるのです。
簡単なのでぜひ行ってみて下さい。

まとめ

すい臓の病気の中でも「すい臓ガン」は不治の病といわれるほどの病気です。
すい臓ガンになってしまうと、治療はなかなか難しいとされています。
普段あまり意識することのない、すい臓ですが、他の臓器同様、
日ごろから労わってあげるようにしましょう。